☆★☆ エンジン修復レポート ☆★☆
【レポート作成 : 平野】
立て!立ち上がってくれ〜! インプレッサ!  
7月2日にエンジンブローしてしまったインプレッサの
EJ20エンジンを無謀にも自分で直してしまおうという企画?です(笑)
なんせお金がありませんので、なるべく安上がりな方法で!
*:・'゚☆。.:*:・'゚★ 不幸は突然に *:・'゚☆。.:*:・'゚★ 
2008/07/02 鈴鹿ツインサーキット安城のバーデンさん主催の走行会に参加しました
引越し直後の貧乏人が参加費の12000円を握り締め久しぶりのサーキットです!
GTドライバーの織戸学さんがゲストで来るとのことで参加者はかなり盛り上がっていました。
しかし当日みんなの盛り上がりをよそに走行開始からたった3周しかできず・・・ 
FullThrottleにもできず・・・エンジンがブローしてしまったのです!
ここから長〜い一日がスタートしました。愛車のクランクを回すと
「カチャン」という非常に悲しい異音とともに引っかかり発生(゚Д゚)
なんとガレージに車両がが戻って来たのは明日になっていました>(-_-#)
*:・'゚☆。.:*:・'゚★ インプレッサ復活までの様子です *:・'゚☆。.:*:・'゚★ 
田中氏に手伝ってもらい、なんとか車庫に収まった愛車ですが、
当然エンジンはかからず不動のままです
で、外気温35度の炎天下の下、サウナと化した車庫の奥には、、、
ヤフオクで落とした(笑)11万キロ走行11万円の激安中古エンジンが!!(ちょっと不安!?)
これから少しずつ自分でこのエンジンをオーバーホールして
現在車両に搭載している破損エンジンと交換します!
とりあえず初日はあまりの暑さに補機類のみ外した所で挫折・・・
クランクに付いてるコンビネーションレンチはとりあえずの手動回転操作用です(笑)

2日目  
暑さが引くのを狙って夕方から始めた結果、暗いLEDライトの下で作業する羽目に・・・
写真、暗くて見づらくスミマセン・・・(^^;)
とりあえず、ヘッドのボルトをナメかけたりしながらも、なんとかシリンダのみの状態まできました。
・・・純正オイルクーラーが付いたままなのは外す工具が無かったからです!
で、ここからが肝心の水平対抗特有の作業である「ピストンピン抜き」です。
ディーラーさんでは「ピストンピンリムーバー」という特殊工具を使用するらしいのですが
勿論そんな類い稀な装置は持っていないので、、、、、
下記工具で何とかしました!!
(結束バンド4本、100均ラジペン、バイスプライヤー、14mmロングナット)
1.ロングナット(\63円)を14mmソケットに入れて偽六角レンチを作り、
ピストンピン抜き用穴のメクラ蓋を外す。
2.クランクを回転させてピンが見える位置に合わせる。
3.ラジオペンチでピンのサークリップ(片側)を外す。
4.ピン穴へ結束バンドを背中合わせに通す(2本同時には通らないので1本ずつ)
*参考までに、エンジン内では下記位置関係になるようにバンドを通します↓
5.バンドの端をしっかり合わせてプライヤーで挟み、引っ張る!
*すると、下記のように結束バンドの頭がテーパー部分に引っかかり、
ピストンピンがズズッと抜けます!!
2日目はこれに満足して?終了です・・・(^^;)

3日目  
ついにやってしまいました!!!(TOT)
ピストンピンも無事に抜け、あとは左右シリンダを真っ二つに割るだけなのに!
ウオータージャケット内にあるボルトが1本、完全に舐めてしまいました!!!
モギャーー!
 
本日はもうヤル気ナシです・・・

4日目  
ボルトエキストラクター(舐めたボルト頭に食込むソケットタイプのヤツ)を購入し、
無事にボルトを緩めることに成功!すごいよ!エキストラクターさん!
エキストラみたいな名前なのに!全然主役級だよゥ
(連日の暑さで頭がオカシクなりつつあります?)
それなのに、、、またやってしまいました!!やってはいけないことを!!(?)
シリンダの位置決めピンが錆びて固着してたので、左右シリンダが少し開いた隙間に
ドライバーを突っ込んでハンマーで叩いていたところ、、、
ダダーーン!!!・・・割れちゃった(T_T)
とりあえず、耐熱金属パテ(エンジン用)で修理する予定です。
テンションも下がったので、シリンダを分割しピストンを抜いた所でこの日は終了。

5日目  
各部クリアランスの測定です。
・・・あまりの暑さとめんどくささに、写真を撮り忘れてしまいました。
(ちなみに、ヘッドのバルブクリアランスも写真ないけど分解前に測定済みです)
とりあえずクランク軸のクリアランスは11万km走行エンジンにも関わらず、
最大個所でも約0.03付近で限度以内。(ボルトが1本ナメてるので
規定トルク締めができず、あやしい測定値ですが、、、)
見た目もキレイなのでそのまま使用します。
しかし!
コンロッドメタルのほうは酷いです!
クリアランスが限度外なのは勿論、なんだかおかしなことになってます!
↑ジャーナル側は偏磨耗jしていますね。
で、それよりももっと不安なのが、、、
なぜかウラ側が激しくナナメに削れてます・・・
ウラ側は回転部ではないのに・・・意味がわからん。
だ、大丈夫なのか!?このエンジン!
もしかして、インプレッサのエンジンはここが弱点なんでしょうか??
(ブローしたほうのエンジンも早く見てみたいですね・・・)

6日目  
本日はヘッドを自宅に持ち帰って分解します。
キッチンの片隅にブルーシートを敷いて、塗装用の養生ビニールを張り巡らせて・・・
簡易作業ブースの出来上がり?です(笑)

まずはバルブ外し。軽自動車耐久のエンジンOHで使った
バルブスプリングコンプレッサーが再び役に立つ時がきました!
(まさかEJ20で使うことになるとは思ってませんでしたが。)
K4耐久メンバーの皆さん、工具借用させて頂きありがとうございます!
外したバルブとスプリングは1番気筒から順番に別の箱でしっかり管理しておきます。

で、分解し終わったヘッドを掃除します。
IN側のポートは一応バリ取り程度に磨いておきます。

ものすごく部屋が洗浄液臭くなってきた所で(^_^;)、次はバルブ擦り合わせを開始。
ラジオから流れる音楽にのってサクサク実施していきます!

 擦り合わせ作業映像はこちら 擦り合わせ

さすがにクーラーの効いた快適環境では作業がはかどります(笑)
擦り合わせが完了したヘッドを再度洗浄し、バルブを組み付けていきます!
ちょっとイライラしてしまいそうなバルブコッターの組み付け作業ですが、
マグネット付きドライバーとグリースベットリ作戦でなんとか順調に進めます↓

この日は左右ヘッドを仕上げるとこまでいけました。
やっぱり作業環境は重要ですね・・・根気と集中力の持続時間が違います!!


7日目  

本日は壊れた車をチェーンブロック完備のガレージ(磯貝家)に運びます。

さすがにウチの車庫は狭いし、天井低いし、木造だし、表は砂利だし、、、
エンジン脱着なんて到底できませんので・・・・(T*T)

勿論、インプレッサはエンジンが壊れたままですので
エボ7で引っ張ってもらいます。(堀田君ありがとう!)

結構なが〜い距離を結構みじか〜い牽引ロープで頑張ります!
ハタから見ると、あまりにも車間近すぎて
インプレッサがエボを煽りたおしてるように見えて非常に気まずいです・・・(笑)


いや〜、久々に牽引されましたが、ロープが短すぎて
これってサーキット走るよりもよっぽど集中力使いますね・・・


とりあえず磯貝君とこのガレージに到着。
個人で借りるレベルをはるかに超越した設備にビックリです!!
(写真は後日、乗せ換え作業で公開予定です。)
あとはNEWエンジン組上げ待ちです!


8日目  

さて、この作業も延べ8日目ですが、ようやくエンジンの組み立て作業に入ります!
この日は、お盆休み中にもかかわらず、堀田君と佐藤君に手伝ってもらいました!
ホントくそ暑い中、ありがとうございました。

またしても暑さのあまり写真を撮るのを忘れてました・・・
とりあえずテキトー(!?)にシリンダ左右を合体し、ヘッド左右を組みます。
下の写真はヘッドのボルト締付け(角度締め)作業中です・・・か、かたい!



それにしても、、、EJ20って縦にするとエンジンじゃなくて何か別のものみたいに見えますね。


本日もまた、 あまりの暑さに倒れる前に作業を終了します(笑)

ちなみに・・・
例の偏磨耗していたコンロッドメタルは
パワーエワタープライズさんのエフワンブラックメタルに交換しました。
(今回組み込んだ唯一のチューニングパーツ?です!)


9日目  

さて、本日はエンジン本体を仕上げます。
ガレージ磯貝(勝手に名付けました)の使用予約?が明日からなので、
急いで作業を進めます。
(急いでたのでまたしても写真少なめです・・・言い訳)

分解時に測定したバルブクリアランスに基づいてシム調整しながら
順調にカムを取り付けていきます。
と思ったら、、、

なんかRh側ヘッドのEX側カムの回転がやたら重い・・・・・

なぜ!?

・・・とりあえず再度分解して、1500番の紙ヤスリで
ジャーナルやキャップを軽〜くさらって再組み付け。

な、直ってない・・・

などということを3回くらい繰り返して、なんとか少しは軽く回るようになった所で妥協。
ヘッドカバーを付けてエンジン本体はほぼ完成しました。

あとは細かい補機類ですが、あまりいろいろ付けると、
運ぶのがタイヘンなので、そこそこにしておきます。

下の写真はオイルストレーナを取り付けている所です。


あとはタイミングベルトを張って完成・・・ なのですが!


またしても不具合が!!!

タイミングベルトのテンショナーはかなり綺麗だったので再利用するつもりでした。
そこで、借り物の油圧プレスでテンショナーのピンを縮めて、
テキトーな六角レンチの小さいヤツでピンをロックしておき、
ソレを位置合わせを済ませたベルト間に組み付けます。

で、ピンをロックしておいた六角をググッと抜いてベルトにテンションをかけようとした所・・・

「プチュッ」

とかいう音とともにピンがちょっとだけ伸びた後、フニャフニャに、、、
テンショナーのクセに全くテンションかけれなくなってしまいました!!
30分くらい待ってもまったく伸びて来ず・・・(T_T)

な、何が悪かったんでしょうか???


・・・原因不明の破損で納得がいきませんが、仕方ないので
テンショナーは壊れたほうのエンジンのものを移植して使うことにします。
(去年ベルト交換した時に新品に換えたばっかりだし、エンジンブロー後に
サーキットのピットで点検した際にはベルト緩みは無かったので、
多分問題なく使えるはずです。)

とりあえず、気持ちのほうテンションもヨレヨレになった所で、
忘れかけていた・・・というか真剣に忘れてた(゚ε゚)シリンダ割れを直します。

え?今頃でいいの!?

・・・多分あんまり良くないでしょう(笑)
エンジン組む前に直しておくべき部分でした。
まあ、多少のオイル滲みくらいは覚悟しないといけないかもしれません・・・


必殺ワザの金属パテを使います。
説明書によると、耐熱性・耐熱衝撃性が高く、
エンジンのシリンダにも使えると書いてあるので素直に信じます。
結構いろいろとトラブルありましたが、なんとかエンジン本体はこれにて完成です。

10日目  

ようやくエンジンも完成し、「ガレージ磯貝(仮名)」へ運び込んでいよいよ乗せ換え作業です。
この日は佐藤君と森さんが手伝ってくれました!!ありがとうございます!!

それにしてもすごい設備です。チェーンブロックにタイヤチェンジャー、ボール盤、万力、各種工具・・・
あとはリフトがあればこのままショップが開店できそうです。
ちなみに、緑色の工業用塗料で綺麗に塗られた床は磯貝兄弟自ら塗装したそうです!!(スゲエ)


チャッチャとエンジンにくっついてる補記類や配線、マウントなどを取り外し
オルタネータ用のブラケットに吊りベルトを通して(いいのかね?) エンジンを吊り上げます。




とりあえずエンジン脱着時には皆さんよくやるお決まりのパターンですが、
何も無いボンネット内に入って写真を一枚。


おゥ、なんか野人にエンジンが喰われそうになってる・・・(笑)

さて、お遊びはホドホドにしておいて、 ブローしたエンジンから再利用する部品を取り外します。


先日エンジン組立ての際に壊してしまったTベルトのテンショナーを
ブローエンジンから頂いてNEWエンジンに組み付けます・・・


「オラオラ〜、さっさと組めや〜」
「ひー、すいません〜!シクシク(ToT)」

ちなみに、ブローしたエンジンの内部まではまだ見れていませんが、インマニを外してみたら
なんだかとてもイヤなことになってました・・・。


3番のインジェクタ周辺になんだかよくわからんアルミ粉っぽいものが大量に付着しています・・・
ポート側(エンジン側)も同様で、覗き込んで見た感じではバルブの裏やステムにも金属粉が
付着しています・・・ うーん、これは重症な予感がします(´〜`;)


11日目  

本日はNEWエンジンを車体に乗せます。
順調に作業が進めばエンジンかける所まで行けるはずですが・・・

↓昨日に引き続き手伝ってくれた佐藤君の力作です。
かなりしっかり巻いてもらい、装着が楽しみです!




楽しようとしてフロントパイプとかミッションマウントを外していなかった為、
なかなか位置が合わず、エンジンとミッションをくっつけるのに
かなり手間取ってしまいました・・・(佐藤君お疲れ様でした)

ようやく乗っけたNEWエンジンです。
インマニのボロボロ赤塗装も無くなり、スッキリしました。

(でも、Stiエンジンじゃなくなってしまったので、
カムがショボくなってるらしいです・・・。)

・・・・・と、喜んでたのも束の間、、、

またしても!
またしても切ないイベントが!

クラッチが切れまへん!!!

あれぇ〜?(現実逃避中)
このクラッチはプル式なのでぇ〜
ベアリングはインプットシャフトに付けておいてぇ〜、
エンジンくっつけた後にレリーズレバーをガシっと押せばぁ〜、
クラッチカバーにパチッとベアリングが嵌るんではぁ〜?
ガシっ!

・・・あれぇ〜? 押しが足りんかったかな〜?
ガシガシッ!!
あんれぇ〜? まだ嵌らんのけぇ〜?
バキバキッ!!!
・・・・・ちょっとやりすぎたかも(後悔)
・・・ムムッ!!
っていうか、なんかレバーがおかしな方向(左右)に動くんですけど!!!
これってベアリング外れてない???
(TεT)
とりあえず疲れたし遅くなったので、本日はこれにて終了
フロ入って寝ます・・・

12日目  

昨日の憂鬱な気分を引きずったままですが、
イヤな気持ちをバネに(?)黙々と作業を進めます。

とりあえずもはや慣れてしまったエンジン分離は
ジャッキ等準備時間も含め1人作業10分で完了。
(まあ、補記類付いてないしね。)


なぜかレリーズレバーから外れていた(!)ベアリングを無言で回収し、
これまたあんなに往生こいたエンジンとミッションの嵌め合わせも5分で完了。

なぜ外れてたのかはわかりませんが、とりあえずレリーズベアリングのフックが
折れそうになってるので、交換が必要です・・・

(多分叩きすきが原因です)

と、いうワケで部品が届く来週まで作業は中断です・・・


13日目  

さて、ベアリングも新たに入手し、気を取り直して作業再開です!
もう、今日こそはトラブル無しでエンジンかかるとこまで行きたいです!

若干涼しくはなってきましたが、日中はまだまだ暑く汗だくです。
が! 今回はミスしないように集中して作業します。
(前回は、一連のエンジン本体の整備の大変さに頭が麻痺していて、
クラッチ周りの作業を軽視しすぎてました・・・。)

この日は磯貝君と森田君が手伝ってくれたおかげで、
午前中のうちに作業はどんどん進みます・・・。

「お、このペースならエンジンかけるとこまでいけるなぁ」

・・・なんて余裕が出てきた所で昼飯。(コンビニ弁当ですが。)

余裕こきすぎて磯貝ガレージ2階で発見したなつかしのファミコンで
2時間以上遊んでしまいました・・・。(バカだね〜)('〜`)

で、ようやく作業再開。

残りの補記類を全て装着していきます。

が、ここまできて、今度はなんと

なんだか人間のほうの体調が怪しくなってきました(笑)

汗だくになってた体が夕方の涼しさで冷えてしまったようです・・・

頭痛いし、なんかだるい・・・

なんとか補記類を付け終わり、液体類を入れた所で
とりあえずテンションだけでも上げるために
試しにエンジンをかけてみることにしました。

が、セルが回らない、、、、、

あ、スタータのマイナス繋いでないや(笑)

・・・気を取り直して。

キュキュン

ドボボボボボ

なんとか一発始動しました〜。

とりあえずホッとした所で体調はかなり悪化。
関節ズキズキするし、寒気もしてきました・・・
(風邪のひき始めですね)

とりあえず、明日の作業でカタをつけるためにも、
本日は早めに帰って栄養ドリンクと風邪薬を飲んで厚着をして布団へ。


14日目 (最終日) 
昨日早めに対処したおかげで、風邪はほぼ完治。
エンジンもとりあえず始動はできてるので、作業がなんだかシアワセ(?)です。

作業忘れがないかチェックした後、冷却水のエア抜きを実施します。
近所のネコも見学に来ました
(ナワバリの巡回に来ただけか?)

「あらいやだ! あやしい車がいるわねェ。」

「フフン、オイル漏れは無いようだけど、
汚した床はちゃんと掃除しなさいよ。」

「へいへい、言われなくても勿論やりますヨ〜」

ちなみに、この掃除道具はインプレッサに乗って
近くのホームセンターまで買いに行ってきました。


若干、というか結構盛大にエキマニのバンデージからケムリが出て、
道行く人々の好奇の眼差しを浴びてしまいましたが、特に致命的な
初期不良は無いようで、ひとまず安心です。

とりあえず、今後は600km程度のナラシを実施する予定です。

(根拠は特にありませんが、2000回転リミットから開始して
50km走行毎に500回転ずつ回転リミットを上げていくとちょうど
600kmで8000回転に到達するという独自理論です。)

以上で、レポートを終わります。



インプ復活への物語に最後までお付き合いありがとうございました m(_ _)m
 
・・・と言いたい所ですが、ナラシが完了した08年9月末現在までに
なんだかんだトラブルがありましたので簡潔にご報告させて頂く予定です。